今回は真面目なお話…
排便ケアについて、連携先の病院より、認定看護師さんによる講義講習を受けさせていただきました。
排泄ケアについては、ご利用者様にとっても精神的にも身体的にもナーバスになりやすく、私たち従事者は気を付けてみていかなくてはならない重要なポイントになります。
そもそも『排泄とは』…物質代謝の結果生じた不要物や有害物質などの老廃物を体の外に出すこと
※排泄できていればよいのか。※排泄物を溜め、然るべき場所で排泄し、後始末をする
何気なく生理的に行っていることに対して向き合うととても複雑なことのように感じますね。
正常な排便のメカニズムやその管理に必要なケアと薬物療法の概要などを学びました。
まず、ブリストルスケールというものを用い、そのスケールにおいて、患者さんの普段の基準がどの数値に値するのか確認することが重要で、ブリストルスケール3~5が正常であることを確認。また、直腸肛門角が鈍化するとスムーズに排便ができるということ。
考える人のポーズが直腸肛門角が鈍化する理想の姿勢です。たまにホームに伺うと、前側に開閉式の手すりが設置しているトイレを見かけることがあります。理にかなった環境調整ですね。
また、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を1:2の割合で食事に取り入れると良く、飲水量は1500~2000mlを目標に摂取。アルコールやカフェインの摂りすぎは下痢を促進する食品となります。
下剤使用の推奨順としては、膨張性下剤→浸透圧性下剤→クロライドチャネル→刺激性下剤
中でもよく見かける薬剤としては、浸透圧性下剤の酸化マグネシウムは副作用が少ないものの、高Mg血症に注意が必要で、腎機能低下患者さんは要注意。また、胃酸と反応し有効となるため、胃全摘や胃酸分泌抑制剤内服では効果が発揮されない可能性があるとのこと。
更に、抗うつ剤・抗パーキンソン病薬・オピオイド・NSAIDsなどを服用している患者さんは、便秘を引き起こし、オルメサルタン(降圧剤)・メトホルミン(血糖コントロール)・PPI(胃酸分泌を抑制)などは下痢を引き起こすなど、副作用の強い薬剤も多い。
改めて現場の看護師さんより貴重なお話を頂き、一緒に参加されていた訪問看護師さんの悩みなど沢山の意見を聞くことができ、今後の支援に生かしたいと思いました。