今回も、真面目な話……
連携頂いている病院での勉強会に参加させていただきました。
高次脳機能障害のコミュニケーション支援について
高次脳機能障害者の困りごと
脳や神経の役割としては、言語、計算、精神活動、空間認知、運動路、感覚路、生命維持、平衡感覚などがあります。
しかし、疾患や障害により、性格変化や社会復帰の困難さや、生命の危機から寝たきりとなる方も。
その中でも後遺症として高次脳機能障害の方の関わりについて着目した講義に参加致しました。
そもそも高次脳機能障害とは
※高次脳機能とは、言語、行為、認知、判断など、主に大脳皮質連合野によって営まれる機能のこと。
※高次脳機能障害とは
脳血管性や変性疾患、頭部外傷により、失語、失行、失認、記憶障害、注意障害をきたしている状態をいう。
困りごととしては、本人は上手に会話が出来ない!支援者はどのようにコミュニケーションをとれば良いのか……
失語症ではない方には
相手の話が聞き取る能力として、思考速度の低下やワーキングメモリが低く、注意障害が見られます。
健常者に置き換えると、外国の方とのコミュニケーションとっているとの同じようなイメージとのこと。
聞き取れない辛さや、全力で集中力しても改善されず、聞いたそばから内容を忘れてしまうなどがあるため、支援者はその点を理解したうえで配慮が必要です。
失語症の方には
健忘失語と伝達失語に分類されます。
健忘失語の方には、待つ姿勢、具体的なヒントや視覚的サポートを活用。
伝達失語の方には、根気よく待つこと、紙に書いて伝え、会話に集中できる環境設定が必要。
自分の意思を伝えられない方には
タイミングがつかめないことや、話している途中で忘れてしまう、感情コントロールができず、常に焦りや不安があります。
思考が追いつかず、適切な相槌や返事が出来ず、言葉と感情にふさわしい表情も上手に出せません。また、話を聞いていないように見られたりもします。
感情の脱抑制による、攻撃性や暴力性も増し、情動判断や価値判断なども難しくなります。
対話は感情のやりとりと認識したうえで、訓練により聞き取ることや話すことが改善しても、自然な言葉のやりとりは難しいため、非言語的コミュニケーション(表情、視線、体の顔の角度、声の大小や抑揚)を大切に対応する必要があります。
専門的には、障害部位(分類、病変部位、症状の把握)により症状が違うことは基本としても、気持ちに寄り添い、共感する態度や、シンプルな言葉遣い。言いたいことを推測しながら最後まで話を聞くなど大切なことを学びました。
現場で従事されている方々にもご参考なれば幸いです。