またまた宿泊客がいない温泉宿にピントを合わせて、温泉療養兼温泉宿に貢献してきました。
湯守のおっさんと雑談をしていたところ、Go To キャンペーンの時は宿泊客が殺到してテンテコ舞いだったそうですが、キャンペーンが中断になった途端にこの有り様だよ…、と嘆いていました。
自粛期間中に申し訳ないですが、宿泊客がいない温泉宿ならば、逆に温泉宿に貢献できて良い面もあると考えています。なぜなら人と接触しないのだから…。
齋藤の住んでいる中華街周辺の方が人混みがすごいですから…。
車移動、宿泊客なし、部屋食、観光地は行かない、お土産なし、帰りの食事はテイクアウト…。
開湯1300年余り、伊豆最古の湯、徳川家康の側室:お万の方ゆかりの温泉、芸術家:岡本太郎と映画監督:黒澤明の常宿、などなど立派な肩書を引っ提げている温泉宿でお世話になりました。
吉奈温泉 さか屋 (静岡県伊豆市吉奈)
【泉質】弱アルカリ単純泉 【湧出量】425ℓ/分 【源泉温度】45℃、47℃、65℃ の3本の源泉を混合
「伊豆の温泉宿だな~」と感じる景色ですね。
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「岡本太郎先生の常宿」とうたっているだけあって、太郎先生にまつわる芸術品が多数飾ってありました。もっとインパクトのある美術品は後ほど…。
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こちらは「徳川家康の側室:お万の方」をイメージしたディスプレイらしい…。不気味でした。
江戸時代から「子宝の湯」として全国に名を馳せており、お万の方がこの温泉を訪れたことで2児を授かった…、という言い伝えがあるそうです。
さらにその前に、こちらは元々「造酒屋」だったそうです。で、その名残りで「さか屋」。
ウェルカムドリンクで徳利に入れた日本酒を用意してくれていました。
「随分と景気良いサービスだな~」と徳利を手に取ると…、半分も入っておらず、本当にお猪口2杯分でした。
軽く一杯ひっかけてから、早速温泉巡りをすることに。
まずは貸切露天風呂へ! と言っても宿全体が貸切りですから…。
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5階のテラスみたいな場所に酒の仕込み樽のようなデカイ浴槽が…。
「ム~…、湯気が出ているけど湯が見えねーな…」と、近づいてみると「なんだこりゃ…?」
チェックインは15:00からでしたが、齋藤は勢い余って14:30にチャックイン! お客様のために新鮮なお湯をそそいでいるところでした。
そしてこの日は終日雨模様…。湯温が下がらないようにアルミシートをかけてました。
気を取り直して、2階にある半露天風呂。
湯船からサワサワと温泉が溢れ出ていました。湯船につかると「ザザザザ――――ッ!!」と豪快にお湯が溢れ出る音が、齋藤を贅沢な気分にさせてくれます。
こちらは4階にある大浴場。手前がぬる湯で約38℃ぐらいかな…。奥が熱めで約41℃ぐらい。どちらも快適でとても気持ち良かったです。
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木の節がそのまま活かされた浴槽の縁。ゴツゴツしており重厚感がありました。少々苔むした感じも風情があって良いですね。
浴槽の真ん中に木の囲いがあり、そこから静かに源泉が湧いていました。
左がぬる湯。右が熱めの湯。歴史を感じる浴槽にウットリ見とれてしまいます。
お次は3階の大浴場へ…
「ムム―――ッ!? ふざけたネーミングを付けやがって…」
「…何だこりゃ?」
この温泉旅館は岡本太郎先生が50年ぐらい贔屓にしていたそうで、そのつながりもあり太郎先生が大浴場をデザインしてくれたそうです。美術品としても大変貴重な価値ある風呂場です。
「女性が座ったときのお尻の跡」をイメージした浴槽は凡人の齋藤には全く理解できず…。
宿泊客がいないことを良いことに、これでもか!というほど片っ端から温泉に入りまくったのでグッタリしてしまいました…。
今日はこのくらで勘弁してやるか…、ということで早めの就寝。
翌朝…、都心部でも積雪の可能性があると言われていた日だったので、山奥の温泉宿も激寒でした。
そんな日は露天風呂で寒中温泉だい!ということで、前日に空振りした5階の露天風呂へ。
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屋根の上に浴槽が埋め込んであるだけで、雨に濡れながらの入浴でした。ワイルドだぜ~…。
屋根のトイから源泉が注ぎ込んでいるのも斬新!
早朝の張りつめた寒気の中、素っ裸で温泉につかる非現実的な時間が、温泉宿に来たな~という充実感を提供してくれます。
温泉宿を10:00にチャックアウト!
帰りに飲食店でランチを食べようと思いましたが、外食を避けてご当地グルメをテイクアウト。
修善寺駅内にある「あじ寿司」が相当旨いという情報をキャッチしていたので、それを購入して帰路に着きました。
自分の行動を正当化するわけではないですが、宿の女将さんが涙目で声をかけてくれたのが忘れられません。
「こんな大変な時に泊まりに来てくれて本当にありがとうね。健康に気を付けて、また泊りに来てね」
極々微力ではありますが、温泉宿に少しの元気と少しの売上を貢献できたと自負しておりますが、やはり世の中が世の中なので自分の行動に罪悪感がいつまでも残ってしまいます…。
とても複雑な心境ですね。